2 つの課題をプライベートDMPで解決!

資生堂のマーケティングの大きな特徴のひとつは、戦前から続く会員制度「花椿CLUB」です。2012年にリリースしたウェブサービス「ワタシプラス」では、この「花椿CLUB」のデータをオンラインに統合しています。そして、更なるデータソースを統合し、マーケティングに活用する為2016年に「TREASURE DMP」を採用しました。

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戦前から取り組む「One to One」

 大手化粧品メーカーの資生堂ジャパン株式会社では、「顧客を理解するため」にデータを活用した施策を推進している。
 消費財を扱うメーカーのマーケティングとしてはマス広告が注目されがちだが、資生堂は、古くから顧客を「One to One」の視点で捉える取り組みを行っている。現在「花椿CLUB」として知られている会員制度の発足は1937年。実に80年近い歴史があるのだ。
 2012年リリースした「ワタシプラス」は、資生堂が現在実践す る「One to One」マーケティングの取り組みの中核を担っている。「ワタシプラス」は、商品や美容の情報、店舗検索機能、EC機能、ウェブカウンセリング機能を提供するウェブサービス。同社では「商品やブランドと顧客を結び付けるプラットフ ォーム」と捉えている。この「ワタシプラス」では、こうした「オンラインの行動履歴」に加え、前述した花椿CLUBの会員情報、つまり「オフラインでの行動履歴」を統合することで、顧客一人ひとりを理解するように努めている。
 しかし、スマートフォンやSNSの浸透に伴って顧客の行動は益々複雑化している。そこで、資生堂はプライベートDMPを導入することを決定した。

2つの課題をプライベートDMPで解決!

 資生堂では顧客がデジタル上に残した行動履歴には、美容に関する意識が潜んでいると考えた。同社ではこれを「モーメント」と呼ぶが、この「モーメント」を捉えるには2つの課題があった。
 まず、社内の様々なデータが統合的に管理できておらずサイロ化してしまっているという点。「ワタシプラス」のリリ ースで、オンラインとオフラインのデータ統合が始まったものの、資生堂が運営する別のウェブサイトの閲覧データを統合できていない状況であった。
 次に、顧客が「ワタシプラス」に履歴を残したとしても、その足跡は実際のユ ーザー行動のうちごく僅かなものだということ。当然のことながら、顧客は総合美容情報サイトや競合他社のサイトも利用するものだ。つまり、「モーメント」は「ワタシプラス」の外側にも存在する。この「ワタシプラス」の外側のモーメントを、パブリックDMPのデータや、提携サイトのデータ、リアルでの行動データなどを使って捉えたいと考えたのだ。
 この課題を解決するために、資生堂が導入したのがプライベートDMPソリューシ ョ ン「TREASURE DMP」だ。同社が「TREASURE DMP」を 導入した理由は大きく3つ。どのような形のデータでも大量に保存ができること。ログデータの収集が容易に行えること。外部サービスとの連携が容易に実現できること。
 加えて、「エンジニアが少ない」という資生堂のリソース上の問題にも合致した。「TREASURE DMP」の運用はSQLだけで実現が可能。実際に同社ではほとんどマーケターだけで「TREASURE DMP」を導入、運用している。

過去の行動ログを4 つの軸で管理

 しかし、もちろん「TREASURE DMP」を導入さえすれば「モーメント」が理解できるというものではない。資生堂では「今の行動ログ」に「過去の行動ログの積み重ね」を掛け合わせることで「モーメント」の理解ができると考えた。
 具体的には、過去の行動を分析することで顧客の「好み」を「TREASURE DMP」上で管理している。蓄積された行動ログを管理する基準は4つ。性別や年代、居住地や職業などの「demographics」、購入ブランド、ブランドロイヤルティを管理する「products」、購買チャネルや利用デバイスの「channels」、美容情報一般の興味からとる「interests」。
 この4つの軸で管理された顧客ごとの「好み」と「現在の行動ログ」を掛け合わせることで、「ウキウキしたモーメント」「ドンヨリしたモーメント」などモーメントの把握を行っているのだ。

伴走型のCRM?

 資生堂では、CRMでの施策を全てこのモーメントを中心に再構築を進めている。 これまではMAを活用して「トライアルセットを購入した顧客へアフターフォローメールを送る」「商品購入者へリピ ート促進メール」を送るなどステージに応じてメールでのコミュニケーションなどを行っていた。しかし、このやり方はビジネスニーズの押しつけで、顧客が望んでいる体験ではないかもしれないという疑問を感じていた。
 そこで資生堂は「CRMとは顧客との対話だ」と定義をしなおし、モーメントドリブンなコミュニケーションを行うべく取り組みを続けている最中だ。プライベートDMP上に蓄積される様々なデ ータを分析することで的確に「モーメント」を捉え、適切なタイミングで、適切なデバイスへ、適切な内容のメッセージを送る。こうした、いわば「顧客と伴走するCRM」が今後の資生堂を支えていくのだ。

Next Step

今日から、眠っているデータを競争力に変えませんか?